収蔵品展
長谷川コレクション 小特集「富岡鉄斎」(6月21日まで)
2015.05.28
当館別館「長谷川コレクション記念室」では、現在「小特集展示 富岡鉄斎」を開催中です。
富岡鉄斎(1837−1924)は画家というよりも学者をもって自認し、「万巻の書を読み万里の路を行く」を実践した最後の文人画家と呼ばれています。鉄斎は、流派を問わず広く古画から学びながら、儒教、道教、仏教など博い和漢の学に対する知識をもとに、自在な画境を展開しました。
丸山長谷川家は紅花に関わる商売の拠点として京都に別邸を構えていたことから、京都画壇の画家との交流によって、質量ともに優れたコレクションを形成しました。中でも富岡鉄斎との関係は深く、丸山長谷川家初代直則(1834- 1896)夫人のマサ(初代長谷川吉内の長女、1832-1922)は鉄斎を早くから認めて多数の作品を依頼し支援を続けました。さらに自身の審美眼によって長谷川コレクションを充実させた三代吉三郎(1889-1967)も数多くの南画作品を収集されています。
1968年と1995年の2度にわたり丸山長谷川家よりご寄贈いただいたコレクションには、富岡鉄斎の初期の大和絵風の作品から、いかにも文人画らしい水墨画、濃密な色彩により豊かな実在感を示す晩年の傑作まで含まれています。
富岡鉄斎の作品11点、そして丸谷長谷川コレクションの作品とあわせ、ぜひご覧ください。