収蔵品展

収蔵写真展
飛塚英寿 出羽の里びと
第二次世界大戦敗戦直後の混乱ののち、1950年代後半から高度経済成長期の時代を迎えた日本は、1964年の東海道新幹線開業や東京オリンピックの開催など、都市を中心に社会が大きく変化していきました。1968年に日本は西ドイツを抜いて国民総生産(GNP)世界第2位の経済大国となる一方、地方では社会基盤整備の遅れ、都市への若者の流出や出稼ぎ、農業の近代化と稲作の生産調整の齟齬など、生活環境が激変していきます。
山形市在住の写真家・飛塚英寿氏(1927─)は、旧制中学時代に押入れでの現像・密着に夢中になって以来、山形の風景にとどまらずさまざまな写真を撮りつづけています。飛塚氏は、戦後の近代化の波が押し寄せる山形の農村の暮らしを記録した白黒写真を『出羽の里びと』として2006年に上梓し、展覧会を開催。展示された100余点の作品は、2008年に当館に寄贈されました。
─救命具を着け渡し舟通学する児童、砂煙の舞う道端に佇む子どもたち、村を守る婦人消防団、住み慣れた故郷を去って街に出る家族、伝統芸能を守り伝える人びと、山里の子の笑顔─ これらは1960年代から70年代の山形の生活の「記録」です。また当時は、生活綴方運動、映画、テレビ・ドキュメンタリーなど、さまざまな「記録」が多彩に展開した時代でもありました。
山形国際ドキュメンタリー映画祭の開催を機に、写真によって記録された半世紀前の「現実」をご覧いただければ幸いです。
会期 | 2015/10/8(木)〜18(日) |
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開館時間 | 午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 10/15(木) |
入場料 | 一般 500円、高大生 300円、小中生 100円 20名以上の団体は各2割引。土曜日は中学生以下無料 |
主催 | 山形美術館、山形新聞、山形放送 |
後援 | 山形市 |

出羽の里びと

雪の子群像・山形市 1968

家路・山形市椹沢 1970

廃車と遊ぶ・朝日町 1971

いたずら・白鷹町栃窪 1971
